マンモスに会ってきました
地下鉄七隈線六本松駅を降りてすぐの福岡市科学館で、
去年の11月から開催している「マンモス展」に行ってきました。
九州初公開の「ユカギルマンモス」や、世界初公開の冷凍標本も
一挙に見られる大変貴重な展覧会で、会期も延長されるほどの
人気ぶりだったようです。
展示は大きく3つのゾーンに分かれていて、マンモスが生きていた過去、
凍土から発見された現在、それをきっかけに生まれた「マンモス復活」
という科学の未来が紹介されていました。
「過去」の展示ゾーンではマンモスが生きていた環境と、
絶滅するまでが紹介されていて、
大迫力の「チュプラチンスキーのケナガマンモス」の骨は
このゾーンで見ることが出来ました。
大きさは大体ショベルカーくらい。
約4000年前に姿を消したマンモスは、たしかに存在していたんだなあと
実感させられました。頭骨と歯が別に展示されていて、
もっと近くで見ることができました。
彼らが凍土から発掘された「現在」を紹介するゾーンでは、
全身が残っている仔ウマの冷凍標本を見ることができました。
手前が仔ウマ。奥に見えるのはケナガマンモスの皮膚です。
化石と違って、冷凍状態だととても生々しい姿で残るんですね。
もちろん標本もすごいのですが、
展示に使われているこのケースも実はすごいんです!
ケース内の気温は-22.5°に保たれているわけですが、
外気との温度差でガラスが曇らずクリアに見えるのは、
日本の技術力によるものなのだそうです。
発掘されたロシアではこういった技術が無かったため
展示ができなかったそうで、
日本の技術力を知らしめる展示にもなったことでしょう。
さて、最後はマンモスの「未来」を考える展示ゾーン。
凍土から発掘されたマンモスからは、なんと細胞サンプルも採れているそうで、
これはマンモスの生態についての全貌解明のみならず、
その生命の復活の夢を実現するための鍵でもあるとのこと。
今にも動き出しそうなマンモスの復元模型。
これが動く姿を見てみたい!という人々の期待が高まる一方で、
倫理的な問題や生態系に与える影響など、
マンモス復活にはさまざまな課題があるようです。
マンモスについての知識を深めるだけではなく、進化し続ける科学技術は
どのように使われるべきなのかという、私たちと科学技術との
向き合い方についても考えさせられる展覧会でした。
(スタッフOT)